現代の民家:
骨太の無垢の通し柱と梁の構成美
プレカットではない本来の伝統的な木組み。それも太い7寸*の通し柱(無垢檜)と、梁成2尺**(無垢米松)とによる豪快な構造材の構成の美しさ。それを際立たせる左官壁。
ここのテーマは、ややもすると民家にありがちな、封建的な匂いや大工の技術、材料偏重による野暮ったさを取り除き、空間意識を持たせた現代にふさわしい民家に挑戦したもの。
外観は切妻で合掌づくりを意識したファサード。中心の7寸の棟、柱は丸面に加工してあり優しいニュアンスも。大きい三角形のガラスと全面に突き出されたバルコニーで、全体的におおらかな力強さと手づくり感を強調。そのなかに現代的なシンプルさとモダンな感覚をもたせた。
内部には琉球畳を敷いた思いっきりオープンな広い和室を。キッチンには、料理好きな施主さんの選んだ、厚いステンレスで出来たシステムキッチン。造作のアイランドにはキッチンの壁と同じ白いタイルを敷き詰めた。2階は、梁を何本も飛ばして骨組みの豪快さを楽しめるようになっている。
* 21cm
** 約60cm